「語学=文化」Zeという単語に見るアメリカンカルチャー
みなさん、“Ze”という単語をご存知ですか?
ある辞書によると、このような意味になります。
“Ze is a gender neutral pronoun. It refers to someone who does not fit into gender binary.”
「Zeとは、性別による区別の無い代名詞である。」
今まで、日本の英語教育に慣れていた私達にとって、人をさす代名詞=he/sheなど、性別を明記した単語が当たり前でしたね。
ところが、この“Ze”はgender neutral(性別による区別の無い)な単語です。Zeの利用をスタートしたのは、世界大学ランキングで常にトップを争うハーバード大学。ハーバードの学生は自らを大学に登録する際、性別欄において、適切ではない選択肢を選ばざるを得ない場合のために、このZeを新たな選択肢として設けました。それはつまり、男性や女性といった、見た目や生物学的な性に関わらない性、ということ。
このニュースを見て、驚いた方も少なくないのではないでしょうか?
しかし、アメリカでは様々な名門大学が同様の動きをとっています。コーネル大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)では、ホームページでそのような単語の使用を説明していますし、ボストン大学やオハイオ大学でも、今年新たにジェンダーニュートラルな単語を選択できるようになりました。また、ニューヨーク大学では、合計7つの性別を使用できるようにするため、データ収集中とのことです。
では、日本ではどうでしょう?
そもそも、私自身、「ジェンダーニュートラル」という概念自体をアメリカで初めて知りましたし、そんな概念に対して単語が存在していること自体もちろん知りませんでした。しかし、もっと驚いたのは、そこから新たな単語が生まれ、国のトップ大学がその使用を推進しているということです。
日本でも近年話題になっている「ジェンダー」について。
アメリカでは、日本より遥かに自由な考え方があり、また、アクションがあります。そのアクションの一つが、このZeの使用に表れているのではないかと思います。
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