「正解も不正解もない、あなたがどう思うか」

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みなさんこんにちは!留学カウンセラーの上野です。

今日は、私が大学で副専攻として学んでいた【社会学】での、少し変わった課題についてお話します。

社会学とは、社会現象の実態や、原因について追求していく学問です。とても幅広い学問で、経済から政治、宗教、マスメディアなど、関係してくる分野は多岐に渡ります。その中でも私が主に勉強していたのは、【差別学】です。一言に差別と言っても、原因は様々です。人種差別、性差別、年齢差別、階級差別などなど。私が履修していた差別学の授業では、差別の根源、そもそも差別とは何なのか、どこから発生してどこからどこまでを差別と言うのかを研究していました。

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学期も終わりに近づいたある日、教室に入ると軽快なリズムで流行の音楽のプロモーションビデオが流れていました。皆さんご存知の歌姫ビヨンセ。彼女の最新ミュージックビデオを見ながら、クラスメイトもノリノリです(中には踊りだす人も)。続いて2曲、どちらも当時流行していた女性アーティストのミュージックビデオでした。「学期終わりだし、音楽でも聞いてリラックスしろってこと?」と思いながらクラスメイトと振り付けを真似て笑っていると、教授が突然言いました。

「今の3曲は、歌詞と映像構成にwomen’s role(社会における女性の役割、女性がどうあるべきか)と men’s role(社会における男性の役割、男性がどうあるべきか)が色濃く描写されているものです。今学期の最終課題は、この3曲から1曲選んでメッセージを感じ取ること。一体どんなメッセージが込められているのか、視聴者にもたらす影響を、今まで勉強してきた知識をフルに使って分析して下さい。主に性差別がメインになるけど、人種差別と階級差別へのメッセージも込められています。これは分析がとても難しいから、見つけた人にはエクストラクレジット(特別追加点)をつけます!それと、もう一曲、同類のメッセージを含んでいる曲を選んで、2つの分析結果を論文にまとめて提出すること。では今日の授業は終わりです。解散!」

そして、「ラッキー!」と言いながら、ぽかんとする私を残してクラスメイト達はクラスを後にしました。私はずいぶん困りました。だって、日本ではこんな課題やったことないんですもん!!

教授に相談すると、「まず図書館の○○に行きなさい。Hip-HopR&Bに関する文献が沢山あるから、まずそこから探してみるといいでしょう。それから、学校のウェブサイトに行くとミュージックビデオに関する研究討論のビデオがオンラインで公開されているはずですよ。」

とても丁寧な教授の教え通り図書館に行くと、そこには差別学とメディア、ミュージックビデオに関する論文が大量に。調べてみるとなるほど、アメリカではずいぶん昔から、音楽と差別学は切っても切れない関係だった訳です。

様々な人種が解け合わず、サラダボウルの中で独立して生活しているアメリカにおいて、人種差別はもちろんのこと、性差別においても日本より20年以上起源が早いだけあって、探してみると人々の生活の至る所にメッセージが込められています。CM、看板、テレビ、etc… 教える一方ではなく自ら考えさせる時間を主とするこの課題は、まさにopen my eyesなものでした。

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そして何より、教授の言った一言

「これは、今までの授業を通して“あなた”が何を感じ取るかが大切です。私が知りたいのはあなたの意見、あなたの見解。正解も不正解もないんだから、自由に書いてね。あまりにも大きく的を外れたり、今まで学んだメソッドを無視したら減点だけど。」

形式に捕われないやり方と自由な発想はまさにアメリカといった感じです。教授のこの言葉を受けて、私は一学期の授業内容と日本的観点の両サイドから論文を書き上げ、A評価で授業を終えることができました。この時論文の題材として選んだ2曲、未だに歌詞を見なくても歌えるぐらい覚えてしまったのは言うまでもありません。

「正解も不正解もない、あなたはどう思うのか?

私がアメリカ滞在中、クラスで何度も問われた言葉です。学部知識のみに限らず、形に捕われない授業スタイル、学習方法、考え方が学べるのは、アメリカの魅力の一つと言えるでしょう。

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