第6話 実社会における英語の必要性(2)続(5)

  S_4d4853cf

みなさん、こんにちは!
”レイム・ダックおじさん”です!

第6話 実社会における英語の必要性(2)続(5)

S課長から雑誌の記事を書くために、産業革命時代の英国やヨーロッパ大陸で鉄道の建設がさかんになり、それにともなって多くの鉄道橋が架設された事実を知りたいので調べてくれないかといわれた。レイム・ダック青年は、K大学で構造力学を教えておられるS先生に参考文献を伺ったら、S.P. Timoshenkoの"History of Strength of Material"がいいだろうと教えていただいた。この本には産業革命期の鉄道のことに一章があてられて興味深く述べられていたので、この章の抄訳をつくってS課長に提出した。しかし、この本には材料力学上、興味深い内容がつまっており、産業革命期の橋梁のことだけですますのは、余りにもおしい気がしたので、あちこちと拾い読みをした。このうち特に印象深かかった"L'Ecole Polytechnique"から抜粋してみたい。

As mentioned before, several engineering schools were organized in France during the eighteenth century.  During the French Revolution, instruction in those schools and also in the universities was discontinued, since the students and their professors were regarded with some suspicion by the revolutionary government.  But at the same time France was at war with the European coalition and badly needed engineers to push forward the construction of fortifications, roads, and bridges and for the development of artillery.  A group of scientists and engineers under the leadership of the great mathematician Gaspard Monge (1746-1818) proposed (to the new government) that an engineering school of a new type should be organized to replace all those which had existed under the old rgime.  The proposition was officially approved in 1794, and at the end of the same year instruction started in the new school.  In 1795, the school was given its present name, cole Polytechnique. •••••••••• All the old privileges were abolished and boys of all social classes could enter the school.   In order to select the best pupils, competitive entrance examinations were introduced.

(訳)「先に述べたように、18世紀になっていくつかの工業専門学校がフランスで設立された。フランス革命時にこれらの工業専門学校と大学の教育は中断された、というのは学生ならびに教授達は革命政府に疑いの目でみられていたので。一方当時のフランスはヨーロッパ連合と戦争の状態にあり、橋、道路、防御施設などを建設し、大砲の改良を進めるために技術者がどうしても必要であった。偉大なる数学者モンジュを指導者とした科学者と技術者のグループが従来の制度下にあった学校を廃止するため新しい学校をつくるべきであるという提案を新政に対して行った。その提案は、1794年に承認され、同年末に新しい学校が発足した。1795年その学校は現今も存在するエコールポリテクニックと命名された。••••••••• 旧来の全ての特典は廃止され、あらゆる階級の少年たちはこの学校へ入学することができるようになった。優秀な生徒を選ぶために、競争の激しい入学試験が導入された。」

この文は、エコール・ポリテクニックがどのようないきさつで生まれたが明解に説明されていると思う。上記の文より少し跳んで、この学校でどのような教育が行われていたかを示すくだりを次に引用する。

"The administration of the new school was based upon completely different ideas.  It was assumed that the various branches of engineering require the same preparation in such general subjects as mathematics, mechanics, physics and chemistry.  It was assumed also that if a student received a good training in those fundamental sciences, it would not be difficult for him to acquire the necessary special knowledge in any particular branch of engineering.  In accordance with this general notion, the first two years of program were devoted exclusively to the fundamental sciences and condensed engineering courses were taken in the third year.  Subsequently, training in engineering was discontinued, the cole Polytechnique became a school for the fundamental sciences only giving the necessary preparation for students planning later to enter one of the engineering schools such as the cole des ponts et chausses, cole de Mines, military academies, and so on."

(訳)「この新しい学校の運営は従来の学校の考え方と全く異なった考えにたっていた。工学のどのような分野へ進むにしてもその準備として、数学、力学、物理、化学など基礎をやらねばならなかった。また、もし学生がこれら基礎科目についての訓練を十分受けておけば、どのような工学の分野へ進むにしろ、そこで必要な知識を得るのに困難はないと考えられていた。
このような考えにたって、エコール・ポリテックでの学習プログラムは、初めの2年間は基礎科目に専念し、3年目短縮された工学コースをとることになっていた。後年、工学の教育は中止され、エコール・ポリテクニックは、将来土木(道路と橋梁)の専門学校、鉱山専門学校、士官学校その他へ進むための学生に基礎科学をさずける学校になった。」

以下、エコール・ポリテクニックでどのような先生が教え、どのような生徒が輩出し、この人達が諸外国にどのような影響を与えたかが述べられている。引用が長くなるので、以下要約してみる。

「この学校の設立の指導者であったモンジュは、優れた科学者であったばかりでなく、教師としても優れていた。彼は、当時第1線で活躍している科学者を招いて、学生に講義をうけさせることが、極めて大切であるという信念を持っており、この考えをエコール・ポリテクニックで実行することによって、大きな成果をあげた。すなわち先生としてはラングランジュ、プロニイ、フーリエ、ポアッソンなどがあり、これらの先生たちの情熱的な講義は、学生に大きな感動を与え、学生の中からビオー、ゲーリュサック、アラゴ、コーシー、ナーヴィエなどは後年優れた科学者、数学者になって、科学や数学の進歩に大きな貢献をした。また先生たちは講義をもとに本を書いた。これらの本は国内ばかりでなく、国外に基礎科学の普及に極めて大きな役割をはたした。この教育システムによる学校がヨーロッパの近隣諸国(オーストラリア、スイスなど)やロシアでつくられたばかりでなく、アメリカの士官学校の設立に大きな影響を与えた。」
レイム・ダック青年は、この本によって産業革命を実行するに必要な工学の理論の確立にフランスが国をあげて取組み大きな貢献をしたことを知り、大きな感動を覚えた。と同時に、科学や工学を学ぶものにとって、苦労して理論を理解したときの喜びも大きいが、歴史をひもどいて先人たちの努力のあとを知る感動が大切なことをこの本は教えてくれた。

レイム・ダックおじさんの英語修行記をお楽しみに!
Don't miss it!

前へ

海外で学ぶ建築学

次へ

英語とコミュニケーション能力