第6話 実社会における英語の必要性(2)続き(4)

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みなさん、こんにちは!
”レイム・ダックおじさん”です!

6話 実社会における英語の必要性(2)続き(3)

前回まで知的冒険をやった少年達の世界へ入ってつい長居をしてしまったが、レイム・ダック青年の世界に戻ってみたい。

鋼矢板のカタログの翻訳のあとレイム・ダック青年におおせつかった仕事はH型鋼、鋼などの力学的な性質を十分に知る為に実験によって部材の強度を調べることであった。当時、ロールの技術が向上し大型の型鋼やパイプなどが土木や建築の市場に大量に出て、構造部材として使われていた。

しかし、構造物として最終的にどの程度の外力に耐えられるかについてはまだわかっていなかった。一方、鋼構造物の設計において従来の弾性設計に、塑性設計の考え方が取り入れられる気運にあった。会社として、鋼構造物の部材の基本的な強度を知っておくことは大切なことであったが、部材に大きな荷重をかけられる大型試験機は会社になかった。また、塑性設計など新しい考え方を知っている技術者もいなかった。

       

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当時、3000トンの構造物大型試験機があったのは、東京大学だけであり、塑性設計について詳しい知識を持っていたのは、アメリカの大学へ留学し、PhDをとってこられた若手の先生達だった。レイム・ダック青年は、これら若手の先生達を大学にたずねて部材の実験方法やその基礎になる力学の参考書などを教えてもらった。

以下、先生方に教えてもらった本を読んで青年が感銘を受けた本の序文より抜粋し、感想を述べてみたい。

“Students of engineering usually receive only fragmentary instruction in the important principles of classical mechanics, stemming from the works of Huygens, Leibniz, Bernoulli, and Lagrange, which assign a central role to the concepts of work, potential energy, and kinetic energy.  These Laws, designated as “energy principles of mechanics”, are sufficiently general to allow Newton’s second law to be deduced from them.  An integrated and modern treatment of energy principles of mechanics, with applications to dynamics of rigid bodies, analyses of elastic frames, general elasticity theory, the theories of plates and shells, the theory of buckling, and the theory of vibrations, is undertaken in this work.”-Energy Methods in Applied Mechanics by Henry L. Langhear.

(訳)
「工学部の学生たちは古典力学の重要な原理について断片的な教育しかうけていない。ここでいう原理とは、ホイゲンス、ライプニツ、ベルヌーイ、ラグランジェなどが成し遂げたものであり、これらは仕事、ポテンシャルエネギー、運動エネルギーなどを考える上で中心的な役割をなしている。力学におけるエネルギーの原理といわれているこれらの法則は、すべてニュートンの第二法則に帰着されるものである。この本では力学におけるエネルギー原理を現代的かつ統一的に種々な力学の問題に適用することが試みられている。すなわち、剛体の力学、弾性的な骨組構造の解析、曲面ならびに平面の板の理論、座屈理論、振動理論へエネルギー原理が適用されている。」

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レイム・ダック青年が大学で習った構造力学では色々な解法によって力学の問題がとかれていたので頭の中が、整理されずに雑然とした理解だった。しかし、この本を読むことによって、力学の世界がエネルギー原理のもとに統一されていることを知り、すっきりした。コンピュータをやっていたI先生が良い本を読むと、洗脳されますよと言っていたことを思いだして、いたく感心した。

次は、T. V. Krmn and M. A. Biot (1940, McGraw Hill)にある"Mathematical Methods in Engineering"の序文の一部を引用する。

"There are two ways of teaching the art of applying mathematics to engineering problems.  One consists of a systematic course comprising selected branches of mathematics including a choice of appropriate examples for applications.  The other chooses certain representative groups of engineering problems and demonstrates the mathematical approach to their solution.  There are excellent books available that follow the first method.  This book might be considered as an experiment in the direction of the second method.  Of course, it would not be advantageous to push this method to an extreme; hence, certain parts of the book are concerned primarily with mathematical subjects.  However, also in these parts the mathematical concepts are presented from the view point of their application rather than from that of their purely logical development."

(訳)
「工学的な問題に数学を適用する方法を教えるには、二つのやり方がある。その一つは応用するのに適当な例が含まれている数学的な題材を選んで、これを学びやすいように配列して、教えるやり方である。もう一つは、工学的な問題の代表的なグループを選んで、数学的な方法を用いて、その問題の解決する例を示すことである。前者の方法に従って書かれたすぐれた本はある。この本は、後者の方向を目指していると考えられよう。しかし、この方法を余り前面に押し出すのは、余り得策ではなかろう。なぜなら、この本のある部分は数学的な題材に主眼をおいているのでとはいえ、数学的な題材に主眼をおいている部分においても、数学的な取扱いは純数学的な面より応用の面からなされている。」

なお、この序文にはKelvin and Taitの"Treatise on Natural Philosophy"から、次の文が引用されている。

"Neither seeking nor avoiding mathematical exercitations we enter into problems solely with a view to possible usefulness for physical science."

(訳)
「数学を使うことを求めるのでもなく、またそれを避けることなく物理的な問題を解決するために有用だけを考えて問題に取り組まねばならない。」

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工学を志すものにとって工学の問題を数学的に解決できることは夢である。しかし、工学にも数学にも通じることなく、経験工学で終ってしまうのが多くの技術者ではなかろうか。20世紀最後の万能の工学者といわれたKrmn が60才近くになって蘊蓄を傾けて書かれたこの本は、名誉の誉れが高かった。レイム・ダック青年はこの本を必死になって読んでみた。夢中になって内容を理解しようとするとわからない単語など余り苦にないことをこの本通じて知った。

レイム・ダックおじさんの英語修行記 第6話(2)続き(5)をお楽しみ!
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